コタエルコラム
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信託型ストックオプションのバリエーション
信託型ストックオプションについて、「難しい」というイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。
そもそもインセンティブ・プランは法律・会計・税務の3つの分野が複雑に絡み合っており、実務上の運用も含めると極めて複雑です。
その上、信託型ストックオプションは、「信託」と「ストックオプション」の両方について、お客様のニーズによってさまざまなバリエーションが存在します。
例えば、
- 誰が当初信託金を拠出するか
- どのような内容のストックオプションを発行するか
- 新株予約権を交付するタイプか、それ以外か
といった点でパターンが分かれます。
誰が当初信託金を拠出するか?
信託型ストックオプションはもともと、オーナー経営者の拠出によるスキームから始まりました。
これは信託型ストックオプションの第一号案件が、オーナー経営者と当社創業者の松田から役職員への贈与(ギフト)として設定されていたことに端を発しています。
これに対して、発行会社が拠出するスキームは2022年に当社が開発したものであり、国税庁が2023年に公表した「ストックオプションに対する課税(Q&A)」等の見解において課税関係についても明確になりました。
現在では、オーナー経営者と発行会社いずれの拠出でも課税関係に差はないという国税庁の見解に基づき、当社としては発行会社拠出型の信託型ストックオプション(オプションプール信託®)を主力商品として取り扱っております。
どのような内容のストックオプションを発行するか?
信託型ストックオプションにプールする新株予約権=有償ストックオプションには
①:権利行使価額が発行時の株価(時価)であり、株価条件や業績条件等の権利行使条件が付いている有償ストックオプション
②:権利行使価額が発行時の株価(時価)であり、権利行使条件の付いていない有償ストックオプション
③:権利行使価額が1円のいわゆる「1円SO」(↔世の中で言われる1円SOは無償)
等が存在しています。
有償ストックオプションの時価で言えば、「①:②:③ = 1~3:50~60:100」というような価格感になるため、拠出額の観点から、株価が高いと①が好まれ、株価が低いと③が好まれます。
ただ、税制適格ストックオプション(信託型)として活用する場合、「権利行使価額 ≧ 税務上の株価(≠時価)」という条件を交付時に満たす必要があるため、③が妥当なのかはまた別の検討が必要になります。
その他にも、上述したような「法律・会計・税務」から発生する様々な検討要素を考慮した上で、適切なストックオプションを選んで第三者算定機関に設計してもらう必要があります。
ストックオプションを交付するタイプか、それ以外か
税制適格ストックオプション(信託型)の場合、受益者となる方々にはストックオプションを交付することになりますが、信託型ストックオプションは、その他の形でも交付することができます。
例えば、海外の従業員に対して交付をする場合、ストックオプションに関する課税関係は各国で複雑になっておりますので、株式に換えてから渡すことも可能です。
用途に応じて、どのような形で信託型ストックオプションを交付するのかも選択する必要があります。
上記はバリエーションを示す一例に過ぎません。
多様な信託型ストックオプションが存在しているため、お客様の側で設計をしていただくのは難しいかもしれません。そのような場合には、信託型ストックオプションの専門家である当社にご相談いただけましたら幸いです。
類似商品の勧誘に
ご注意ください。
昨今、当社の提供する信託型ストックオプション「時価発行新株予約権信託®」に類似する商品の導入を勧める業者・専門家が増えております。信託型ストックオプションであるオプションプール信託®や時価発行新株予約権信託®、1円ストックオプション信託®のほか、有償ストックオプション信託®、譲渡予約権信託®、コール・オプション信託®は当社グループの登録商標であり許諾なく第三者が使用することはできません。
信託商品は、その設計により想定される結果が大きく異なる場合があります。類似の商品の提案を受けた場合や登録商標の商品を騙った勧誘を受けた場合には、法律上・税務上の課題がクリアされているかどうか、十分ご注意ください。